リズと青い鳥
見ました。
映画始まって靴音鳴って、あ…もしやこの映画…音響がやばいのでは…!?!?!?!!?になり、そのまま傘木希美の後ろをふわふわぴったりついていく鎧塚みぞれを見せられてそういうね…と思わせられてからのピッチのあってない演奏流れてタイトルドーンでもう全部…私の持っているものはこれで全部…になりました…
映画は才能を持つ女と、その才能の輝きを認めて祝福することのできない女との関係性の話で、刺さるところがたくさんあり良かったです。
いわゆる映画的/映像的な手法がかなり抑えられてて、高校生の在りうる日常を覗き見ているようで、彼女らは”そこ”にいる、いたんですよ。実在性が高まれば高まるほど彼女らの関係性や行動に対してコメントを行うのは無粋でしかなくなるのであまり言及したくなくなってます。彼女らがたくさん考えてたくさん悩んで、最後は感情的であっても彼女ら自身で選択して行動したことならもうそれでいいんですよ。輝かしい青春の一部をのぞかせてくれてありがとうございました。
悲鳴だけは上げたいので残りは悲鳴です。
「私もこの音大受けようかな」
お前―!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!………………………………お前……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
「みぞれはずるいよ」
泣くわ
「希美先輩と相性悪くないですか」
赤い糸を…赤い糸を握って…握ってお前……
「第三楽章…通しでやってもいいですか」
いいよ…いいんだよ…いいんですよ……自由に…力強く………どこまでも……
「私はみぞれのオーボエが好き」
これなんですよね…これなんだよ……これだったんだよな…………
「黄金色に反射して映る日々 今しか観られないような西日の中」
みぞれと剣崎後輩が練習してるところはまさに黄金色の西日に包まれてて、みぞれにとっても剣崎後輩にとっても”今”なんでしょうね。ありがとうHomecomings最高
希美も町に沈む夕日を藤棚の下で眺めてるシーンがありましたけど、数少ない校舎外のシーンの一つでとても美しく印象的なカット。青い鳥が飛んで行った後の空を見上げるリズのようでもあり、藤棚が鳥かごだと思えば飛び立つ空を探す青い鳥のようにも見えて、寂しくありつつも少し希望が見えるようなシーンに感じました。
あとこれ見てほしいんですけど
https://twitter.com/liz_bluebird/status/998505491155189762
公開から一か月を迎えました「リズと青い鳥」!
— 「リズと青い鳥」公式 (@liz_bluebird) May 21, 2018
視点を変えて楽しめる作品となっていますので公開当初とは感じ方が変わった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、公開時に行ったアンケートを改めて実施します!
是非感想を教えてくださいね!
質問:あなたは誰に感情移入しましたか?
みぞれに感情移入してる人が希美に感情移入してる人の倍以上いるのほんとに…????という感じなんですけどどうなんですか??自分は完全に希美の映画だ……と思いながら見てたのでかなり驚きました。
自身の才能のなさ、足りてなさ、何物でも無さを見つけ、認め、赦す物語と思いながら見ていたのでたくさん刺さるところがあり、傘木お前…と思いつつも彼女がその行動をとる理由、取らざるを得ない状況が手に取るようにわかり、とても好きな映画だと思いました。
才能を持たない凡人であり、ノリのよさというか周りに合わせる能力だけでなんとなく渡り歩いてる人間にとってはみぞれは憧憬の存在であり、嫉妬の存在であって、「何を考えてるのかわかんないよ」なんですよね。最後のみぞれの演奏を聴いた希美の涙の一部は才能の差に対する嘆きからくるもののはずなんですよというかそうであってほしい。
早く円盤出てくれ~~~~~~~~~