きっとものすごいバカ

きっとものすごいバカなのだろう

僕には友人がいて，その人は将来のこととか，好きな人の気持ちだとかをめちゃめちゃよく考えてて，しかもそれを口に出してしゃべることができる人だ．そういう話をしているとき，僕はよく気分が悪くなる．

というのもおそらくこれは僕がバカだからであり，そういうことを考えずへらへら過ごしていきたいという欲望を抱えているからだと思う．

自身の欠点から目をそらし，「バカ」の一言でまとめてへらへらしようとしているところなんてもう最悪だ．

他人の気持ちを考えることは難しく，体力がいる．模範解答を教えてもらえる問題にばかり取り組んできた僕には対応のしようがない．これまでの経験がすべて死ぬ．

道徳の授業ならばきれいな言葉を並べれば「正解」になるが，果たして道徳の授業に出てくるような登場人物たちは｢道徳の授業ならばきれいな言葉を並べれば『正解』になる｣なんてことを考えるだろうか．そんな気持ちをちゃんと持った生き物なのだろうか．僕は道徳の授業で何の気持ちについて考えていたのだろう．

とっくに成人した後にこんな中学生みたいなことを考えている自分に腹が立つ．中学生みたいなことは中学生のうちに考え，決着をつけておくべきで，大学生の僕はもっと大学生らしい感情について悩みたい．その時期，その時期に適した悩みにさらされず，目をそむけ，逃げ続けてきた僕の今までは何だったのだろうか．何だったんだろう…何だったんですか？